リベット接合が現代の鋼橋製作に用いられることはないが，リベット継手は高齢な鋼橋において現在でも多く存在し，劣化したリベットは一般に摩擦接合用高力ボルトに置き替えて補修される．この場合，荷重伝達機構や静的強度の異なるリベットと高力ボルトが継手内に共存することになるが，この併用継手に関する研究は十分には進んでいない．本研究では，2 行 2 列配置の併用継手に対して静的引張試験を行い，1 行配置の併用継手に対して提案されている耐力評価法が複数行配置の継手にも適用できるかを検討した．また，有限要素解析により引張試験を再現し，併用継手内のより詳細な力学挙動について検討した．